『すみれ咲く道』
著者・宮園貴江
◆この本について
神戸の顔・異人館の町、北野町にある神戸北野ハンター迎賓館のオーナー・宮園貴江さんは美容の発祥地・神戸にあって美容着付けのプロ養成組織の重鎮として有名だが、彼女が悲しい戦争体験者であることはこれまでに殆ど語られることがなかった。
庶民の戦争体験を赤裸々に綴った自叙伝が感涙をそそる。神戸でも有名な女傑が、出身地・鹿児島で過ごした太平洋戦争の日々。
開聞岳を遠くに見る彼女の生家は海軍、陸軍の兵隊さんの恰好のたまり場だった。実は兵隊さんたちは食糧不足を補うために彼女の家がふるまう唐芋(薩摩芋)を目当てにやってくるのだった。
戦況が不利になるなかで、遂に彼女の父に赤紙と呼ばれる招集令状が届いた。
フィリピンで戦死を遂げた父の死にざまが伝わった時、想像を絶する悲惨さに残された家族は泣き崩れた。
世界が戦争の恐怖にさらされる今、一度は読んでおきたい庶民の側から見た戦争の実態。
鹿児島を出て神戸にやってきた彼女にまたもや降りかかった災難。
事実は小説よりも奇なり。すみれ咲く道はあなたの心に感動の小さな花を投げかけてくれる。
◆著者について
鹿児島の生まれ育ち。戦後、結婚のため来神。闘病生活の後、美容師として捲土重来を期し、神戸ブライダル協会を軸として兵庫県下のプロ美容家の頂点にまで登り詰め、神戸マイスターをはじめ国の叙勲複数の栄誉に輝くまでに至る。
日立造船創立者、英国人ハンターゆかりの神戸北野ハンター迎賓館で樹齢125年の愛子桜の桜守としても情熱を燃やす。
◆書籍情報
ページ数:136p
言語:日本語
出版社:株式会社 神戸新聞総合印刷
発売日:2019年12月15日